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第1回:食べ物が危ない!その1 土と農薬について

 この間、アフリカに半年程住んでいたという友人と、逆カルチャーショックについて話をした。 

彼女曰く、「カナダに帰ってきて何がショックだったかと言えば、スーパーマーケットよ。あんなにも多種類のきれいな野菜がすごくたくさんいつでも並んでいるんだから」
確かに、スーパーに行けば大抵なんでもある。あまりにも当たり前すぎて、そんな事、思ってもみなかった人も多いと思う。
もはや、旬などという言葉は使わなくなった現代において、どんな季節でも大量に陳列されているこれらの野菜は一体どこから来るのだろうか?

これらは、大規模農業により、まるで機械の部品を作るように生産されている。
ご存じの方も多いと思うが大規模農業は生産性を上げるため、単一作物を大型機械と化学薬品、いわゆる農薬を使って作り出す。
この農薬を使う農業が始まったのは第二次世界大戦の終わった1945年辺りからだ。

戦争が終わって人を殺すという使用目的を失った化学薬品は、農薬と姿を変えて害虫駆除に使用される様になった。
その影響は害虫ばかりでなく益虫までも無差別に殺し、更に家畜や人間にまで広がった。

生態系の中で、人間の様に大きな動物は食物連鎖の頂点にいるゆえ、農薬の体内での摂取量も増大する。

例えば、農薬のかかった肥やしを牛などに与え、その牛乳でバターなどを作ると、農薬の含有量は二十倍以上となり、かなり濃縮されてしまう。
そして、それらを人間が摂取した場合、その農薬は体内に蓄積する傾向にあるので、生体濃縮を起こす。
特に、妊娠中の女性の場合、胎盤を通って胎児にも影響を及ぼす。

水俣病は農薬が原因の症状ではないが、毒物が胎児に影響を及ぼすという例としてあげられるだろう。

更に、デンマークのオーデン大学の医師達が1980年に行った癌患者と農薬の関係性の発表によると、75歳以上で癌で死亡した患者は、癌以外の病気で死亡した患者の約5倍の残留農薬が体脂肪から検出されたとのことだ。

農薬が体内に入ると、遺伝子構造を破壊するのみならず、免疫システムを弱めてしまうゆえ、癌細胞に抵抗する免疫力が落ちてしまい、やがて死に至る。

更に恐ろしい事には、農薬が散布されると土が死んでしまうということだ。『生き物でもない土が死ぬだって?』と思う読者もいるかもしれないが、一般的に我々が考えている『土』の中には何億というバクテリアや菌類、昆虫類、ミミズなどが生息している。

彼等は腐食した枯れ葉や動物の糞などを食料とし、そこで排泄物として、腐食土と呼ばれるとても栄養価の高い真っ黒い土を作り出す。

腐食土はすべての植物の成長の栄養源となり、アミノ酸や、蛋白質などに転換される。我々動物は、植物や他の動物を食することでしかこのアミノ酸や蛋白質を摂取することができないのである。

ところが、農薬を撒くことにより、これらのバクテリアやミミズ達が殺されてしまい、健康な土を作り出す生物がいなくなってしまう。そして、何を隠そう植物はあらゆる生物の命の源なのだ。
土が死に、植物が育たなくなることは、人間の命をも脅かし兼ねない重大事だ。

恐ろしいことに、一度撒いた農薬は土中に10年から20年は残留するのだ。
また、ダーウィンの自然淘汰説に、『新たな環境に適応できる生物のみが後世に子孫を残せる』とあるように、一度農薬を使うと、害虫の方ではそれに免疫性のある品種を生み出して来る。

それに対抗するために、更に強い農薬を開発し、畑に撒いたりしているうちに、作物の育ちにくい枯れた土地になってしまう。
作物の育ちが悪いからと言って、また化学肥料を撒く。
こうして我々の口にする野菜は、化学薬品漬けになって市場に並ぶのだ。

こんな事をしているうちに、地球上の土地は全て枯れ果てて、何も育たなくなってしまう。
人口が増え続けている昨今、こんな状態で一体どうやって間近に迫る食糧危機を乗り越えるというのだろうか?

農薬から身を守り、土を守る事ができる唯一の方法は、有機栽培の野菜を自分で作るか、有機野菜生産者から購入することだ。

購入するとなると、やや割高ではあるが、将来、野菜を栽培できる土地を守る事が出来、尚かつ、年取ってから癌などの病気で高い医療費を払い、痛い思いをする確率を低める事を考えれば、決して高い投資ではない。

有機野菜の購入に興味のあるバンクーバー在住の方は、Farm Folk/City Folk 730-0450まで英語で。
有機野菜生産者を紹介してくれる。

ビクトリアに在住の方は、海波農園 391-0763まで日本語で。 
農薬の味のしない本来の美味しい野菜の味を楽しんでみてはいかがだろうか?

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